ベトナム
ASEANで一番の進出先

　ベトナムは人口約１億人を抱える社会主義国家で、従来の農業中心の経済から工業化およびサービス業中心の経済へと移行しています。米中貿易摩擦のための退避先、チャイナプラスワンとして考える日本企業も多く、コロナ禍以降にベトナム進出を考える企業も多いです。中産階級階級層の拡大、外資融資の流れに加え、真面目な国民性と親日国であることは日本企業にとって追い風です。南北の物流インフラや労働賃金の上昇など、変化と共に課題も多く出てくると思いますが、今後もアセアン地域において注目を浴びる国の一つであり続けると考えられます。 健康美容関連市場では中産階級層の拡大に伴い、徐々に日本製中価格帯の製品の売れ行きも上がってくると考えられます。日系小売りでは、イオングループやマツモトキヨシが展開を行い中価格帯の製品が想定より売れているようです。今後も日系小売りの進出が加速すると考えられ、今後の展開に注目です。

　美容サロンやヘアサロンはコロナ禍で閉店に追い込まれる店舗もありましたが、コロナ禍以降は徐々に回復しており、これらへの流通展開も可能性があると考えられます。

　しかし、現段階では市場自体はまだ低価格帯が中心のため、中価格帯製品での展開には力を入れたブランディングが求められます。また、販売代理商などの目利きも厳しくなっており、シンガポールをはじめとしたASEAN他国での展開に成功したブランドを求めるケースも増えています。親日国と言えどもベトナム製品を好む趣向性やブランド認知がない中でどのように展開をしていくか、また、ベトナム展開後のその先も含めてしっかりと展開前の入念な戦略検討が必要です。